リズと青い鳥について

この作品、あまりにも衝撃的で感想という形にまとまってすらないけどとにかく有識者・理解者に届けばいいなという思いで取り急ぎ雑文を放流させて頂く
以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


見終わってからの第一印象ほんとに言葉が出なかったけど、あえて言うなら「ただただ綺麗さに圧倒される」と言うべきか。

キャラクターの足音、息遣い、表情(本当に微かな)変化での表現がもうただただ綺麗で言葉を失う。
自分の語彙が貧弱なのか、「綺麗」以外の表現が思いつかない

全体的にあまり喋るシーンは多くないと思う。一番セリフあるのは理科室でみぞれと希美が話してるシーンぐらいなんじゃ?
表情、息遣い、日常音(廊下に響く日常音やそこにさりげなく混ぜたbgm)、そういうのを中心に表現を試みている。
正直今までのユーフォのシリーズにはなかったような、言葉に頼り過ぎない表現がされている。
ある意味意欲的というか挑戦的というか、それこそこういうこともできるんだというようなことを言われてる気もするね。
だけど最後のみぞれが青い鳥の立場を思って演奏したシーン、あそこで「やっぱり最後は音で魅せてきたかー!!!!」と、、
危うくスタンディングオベーションしそうになった。

希美とみぞれが理科室で話し終わった後、廊下でのぞみの息を吐き出すシーン、これって本当はみぞれの好きなところがもっとハグしてる間にたくさんあって言いたいことあったけどそれを我慢していて、我慢していたものを吐き出したのかな?と思った
好きなとこを言いまくってみぞれから見て「希美も自分を一番の親友と思っている」と思わせることは簡単だけど、それだとやっぱり自由にならないんじゃないか、と・・
真相はわからないけど、あの息遣いの表現には本当にシビれた、東山奈央さんの底力を見た。

みぞれは青い鳥の気持ちになってみることができていなかった、からの最後の演奏シーンなわけだけど、あのシーンの希美の素人が聞いてもわかるようなかすれたフルートの音が悲しい
同時に、音で魅せるってのはこういうことだな、とゾクゾクした。
理科室のシーンの後の日常、希美とみぞれが別々の道を歩む描写がありつつも、しかし学校から帰るシーンは別々の道をいくことになるけどお互いがお互いを好きなんだなってのは変わらないというのが言外に溢れ出ていて泣いてしまった
あの最後の日常シーンが個人的に今のところ一番泣ける。
ハッピーアイスクリーム!を最後に持ってくるの神すぎだよな

ところで希美から見た、みぞれの好きなとこはどこだろう
もしかしたらみぞれの少し驚いた顔が好きだから、ちょっと驚かせるようなことをけっこうな頻度でするのかな?と思う
劇中でみぞれが希美に対して「うわ・・」みたいな顔で頬を少し赤らめさせるシーンはけっこうあるけど、実は驚きの部分が大きいんじゃないかなと。
個人的にはあまりいわゆる『百合』みたいなものをこの作品から感じ取ることはなかったんだよね。
それを想起させる描写は結構あったとは思うんだけど。

てか新山先生から音大の話が振られた話をのぞみが聞いたところあたりからの重きに置く視点の転換がよかった。

 

あと青い鳥は、鳥だからやっぱり空を飛ぶことを望んでたんだろうか?
リズと青い鳥が森でたわむれてるシーン、青い鳥は鳥達をずっと見ていた
しかしながらそのシーンと、朝ちょくちょく空に散歩(?)してるとこぐらいしか空に羽ばたくことを望んでそうなシーンに気付けなかった


のぞみにはできればみぞれと同じ場所にいってほしい
あの演奏が本来の実力だったかというと違うとは思う、が
でもたぶんみぞれの実力が圧倒的すぎるんだろう

 

みぞれにとって希美という存在はただただストレート、一番の大親友!veryverrrrrrrrry like!!みたいな感じ
希美にとってのみぞれは・・一言で表しにくさがある
今回の話で顕在化したみぞれの演奏技術に対する感情
畏怖と嫉妬と尊敬と目標にするという感情
これ無意識下ではわかってては気付きたくなかったけど、気付いてしまったというものな気はする
もうちょっと色々考えたり見返したりしてみて、自分でまとめてみよう。


個人的にこの作品を総括すると、『とても綺麗な友情劇』だなと思った。
人によってはこれめっちゃ百合じゃん!!!て思う描写はたぶんけっこうあった。
希美が嫌なやつに見える描写もあった(みぞれ視点からの対比で)
だけど希美も希美で複雑な感情を持っていてずっと葛藤していたと思うし、それが顕在化というか完全に見せ付けられたあの音楽室でのシーンからの、ハッピーアイスクリーム!にいたるまでのちょっとした日常会話。
紆余曲折色んな感情はあれど、最後は友情が全てを包むんだという『とても綺麗な友情劇』、それがこの作品なんじゃないかと思います。

 

あああああ~~~もうほんと最高
何回か見たらたぶんまた感想文したためます